壁打ち

カルピス:水=0:10くらいの濃度

映画「ダンケルク」

 

ダンケルク

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監督・脚本:クリストファー・ノーラン
音楽:ハンス・ジマー
出演:フィオン・ホワイトヘッドハリー・スタイルズアナイリン・バーナード、ジャック・ロウデン、トム・ハーディキリアン・マーフィー、他

 

 

あらすじ:ドイツ軍に包囲されたイギリス軍、絶体絶命。国へ帰りたい。(実話)

 

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 公開されてだいぶ経ちますが、全国一斉IMAX試写会に当選したので、9/5(火)に行って参りました。
制作決定して以来楽しみにしていたのでうれしい。
席指定ができるとのことで朝一に席を取りに行った人がいるのをTwitterで知り、怯えながら1時間前に受付をしましたが、やはりいい席はほとんど埋まってました。

 

 

会場は都内最大スクリーンのT・ジョイPRINCE品川。IMAX 70mm上映。
ダンケルクの35mm上映では40%も映像の上下がカットされてしまうそう。
恥ずかしながら品川が都内最大と知らなかったので、応募時に何も考えずに品川を選んだのですが、自分を褒めたい。
会場に入ってすぐ見える大きなスクリーンに度肝抜かれました。視界いっぱいスクリーン。というか最早壁。映画が見れる大きな壁。

最新システムを導入しているらしく、ゴリゴリに不安を煽って来る音響も素晴らしかったです。

 

 さて本題の感想ですが、IMAXで観た方がいいとか、最高の映像体験とかそういうのぶち抜いてトータルでいい映画でした。

ノーランといえば私の中では
「オラオラッ!理解できんのかお前のこの脳みそでオラッ!」
と言いながら、映像や物語で殴って来る映画を作る人間ということになってます。

最先端技術に興味のないノーランは、『ダークナイト』でビルをまるまる吹っ飛ばしたり、『インセプション』では回転する廊下をセットとして作り上げたりと、目に見えるものを撮影していく。
散々聞いてる伝説だとは思いますが改めて書き出すとすごい。

そういうわけで今回もCG無しです。
サラッと言ってますけど恐ろしい。

 

今作はノーランにとって初めての実話ということもあって、「リアルを追求したかった」と話していました。
制作内容が発表になった際「ノーランの新作は実話」と聞いて、ノーランの創り出す『インセプション』や『インターステラー』で感じる大宇宙のような物語を観れないないなあなんて思ってしまったけど、それを軽々と飛び越えてきた。
これがノーランの描くリアルなんだと見せつけられた。

 

 

戦争を目の当たりにしたことが無い私たちが何を以って"リアル"とするか、というのが正にこの『ダンケルク』にあるのだと思います。

この映画を現実(リアル)とするのか、物語とするのか。これに尽きる。

 

少しだけ他の方の感想をサラッと流し読みさせていただきましたが、
「時間軸が理解しにくい」「登場人物に感情移入ができない」という意見がちらほら。
時間軸に関しては、「ああ、ノーラン節だな」くらいにしかならなかったので解説は省きます。(というか序盤からしっかり見ていればさらっと説明が出てくる。)

 

 登場人物に感情移入できない、というのはすごくよく分かります。
迫力のある映像、緊迫感を増長させる音楽。こんなにも苦しくなったのに、鑑賞後は不思議と後味が悪くない。私の頭がバカになったせいで何も感じないのかと思いましたが、どうやら原因は感情移入できるか否かにあったようです。

口数の少なさやコロコロと変わっていく視点にも感情移入できない原因ではあると思いますが、なによりも私たちが"ダンケルクにいる″から、感情移入が難しい。
感情移入って、物語として観ているから起こるので、自分がその場に立っているとするなら必然的に起こらないのではないでしょうか。
ダンケルク』とは、ノーランのみせる"戦争物語"ではなく、ノーランのみせる"戦場"だったということ。
無駄な殺生はなく、血が飛び散るような描写もなく、でも確かに生と死のはざまで、この静かで時に激しく続いていく時間こそが"リアル"なのだと思いました。

 

元々戦争映画は苦手です。
時代背景の知識もないし、戦争ってそもそも私にとっては現実と物語の間で、理解したくてもできない、したくない、という恐怖を覚えるから。知らないことが一番の恐怖。


実際にこんなことがあってほしくないと、目をつむってしまいたくなるので、わざわざ映画としてみたいとは思えないんですよね。
今回これをノーランが撮っていなかったら私は絶対に観ていませんでした。
ノーランが撮ったからこそ、現実と物語との合間を張りに糸を通すように細く、でも確かにするすると頭に入ってくる。
ノーランが撮る戦争、実話、物語調ではない確かにある現実。このすべてがいいバランスを保っているおかげで、こんなに胸に響く映画だと思えます。

 

 

あまりに神聖な映画だったというイメージが大きすぎてあまり声を大にして言えないのですが、み~~~~んな顔が凄く良かった。
「美少年画像bot」とかに出てきそうな美しい顔立ちの青年たち。
彼らだったからこそ、より一層神聖で、繊細な表現になっているように感じました。

 

いつまでも心に残る映画があると思うのですが、ダンケルクはそのカテゴリにすっぽりはまりそうです。1ヶ月ほど経った今も、鮮明に思い出せる。
まだ上映しているのでもう一度観にいこうと思います。

 

 

 

 

その他、ネタバレ無しのざっくりとしたレビューは下記リンク先へどうぞ。

 

filmarks.com